本家"CropWorks"の近況用blog
本家:http://cropworks.orz.hm/index.htm
農工大Bn科の過去問集積&管理業務。
同人サークル「農工植研」の活動。
管理人Sr38のPC関連覚書。
あと絵とか写真とか。
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前回に引き続きヨウシュヤマゴボウの論文紹介など
今回は重金属であるカドミウム(Cd)の耐性と蓄積能について。
イタイイタイ病のカドミウムです。
そういや高1のとき現社の試験でカドニウムって回答してバツくらいましたね。
世の植物科学研究の一分野として環境浄化(ファイトレメディエーション)というものがありまして、
ダイオキシンや染料のような人工物や、カドミウムのような重金属を植物に分解、
あるいは蓄積してもらって刈り取り処分してしまおうという研究をしています。
高い蓄積能、集積能を持つ生物はHyperaccumulatorとして担がれ、利用が目論まれています。
今回原稿書くにあたってパラ読みしたのはこちらの論文。
Liu X., Peng K., Wang A., Lian C., Shen Z.,
Cadmium accumulation and distribution in populations of Phytolacca americana
L. and the role of transpiration
(2010) Chemosphere, 78, 1136-1141
ヨウシュヤマゴボウはCd濃度1083mg/kg(乾燥重)までの土壌で生育可能で、
土壌のCd濃度と同程度の濃度まで葉にCdを蓄積するとのこと。
水耕栽培の結果によると葉よりもずっと根のCd濃度が高く、
Cdを添加すると葉の黄化が起こり、地上部が減量する。
高Cd濃度では根にも影響が出てくる。
Cdの蓄積と根から葉への輸送には呼吸が関わっているようで、気孔を閉じたり
水輸送系を阻害したりするとCdの蓄積が減少し、葉と根のCd濃度比が減少する(葉にCdが送られにくくなる?)。
高濃度に汚染された地区ではHyperaccumulatorとしての蓄積基準100mg/kgを
上回るものの、あくまで土壌中のCd濃度に依存するためHyperaccumulatorとは
見なされないみたいです。
植物と土壌のCd濃度の比で表す蓄積効率みたいな指標もあり、これが1より
大きいことも重要みたいですが、ヨウシュヤマゴボウでは1以上になる個体が
全体の29%程度で、平均値は0.93だとか。
とりあえず筆者らはヨウシュヤマゴボウはすごく大きくなるし、地上部を刈り取って
残った根からも再生する手間要らずさ!銅や鉛、亜鉛にも耐性があるよ!とプッシュしてます。
まあHyperaccumulatorとか言ってもこんな小さい植物植えてどうするんだろう
ってのはよく思いますからね、この分野の論文読んでると。実用性あるのかと。
濃縮装置付いてなくてもでかいポンプでガンガン吸った方が早い気もします。
ちなみにVerbruggen et. al.(2009)によるとCdのHyperaccumulatorはS. alfredii、
T. caerulescens、T. praecox、A. halleriの四種が確認されているとのこと。
今回は重金属であるカドミウム(Cd)の耐性と蓄積能について。
イタイイタイ病のカドミウムです。
そういや高1のとき現社の試験でカドニウムって回答してバツくらいましたね。
世の植物科学研究の一分野として環境浄化(ファイトレメディエーション)というものがありまして、
ダイオキシンや染料のような人工物や、カドミウムのような重金属を植物に分解、
あるいは蓄積してもらって刈り取り処分してしまおうという研究をしています。
高い蓄積能、集積能を持つ生物はHyperaccumulatorとして担がれ、利用が目論まれています。
今回原稿書くにあたってパラ読みしたのはこちらの論文。
Liu X., Peng K., Wang A., Lian C., Shen Z.,
Cadmium accumulation and distribution in populations of Phytolacca americana
L. and the role of transpiration
(2010) Chemosphere, 78, 1136-1141
ヨウシュヤマゴボウはCd濃度1083mg/kg(乾燥重)までの土壌で生育可能で、
土壌のCd濃度と同程度の濃度まで葉にCdを蓄積するとのこと。
水耕栽培の結果によると葉よりもずっと根のCd濃度が高く、
Cdを添加すると葉の黄化が起こり、地上部が減量する。
高Cd濃度では根にも影響が出てくる。
Cdの蓄積と根から葉への輸送には呼吸が関わっているようで、気孔を閉じたり
水輸送系を阻害したりするとCdの蓄積が減少し、葉と根のCd濃度比が減少する(葉にCdが送られにくくなる?)。
高濃度に汚染された地区ではHyperaccumulatorとしての蓄積基準100mg/kgを
上回るものの、あくまで土壌中のCd濃度に依存するためHyperaccumulatorとは
見なされないみたいです。
植物と土壌のCd濃度の比で表す蓄積効率みたいな指標もあり、これが1より
大きいことも重要みたいですが、ヨウシュヤマゴボウでは1以上になる個体が
全体の29%程度で、平均値は0.93だとか。
とりあえず筆者らはヨウシュヤマゴボウはすごく大きくなるし、地上部を刈り取って
残った根からも再生する手間要らずさ!銅や鉛、亜鉛にも耐性があるよ!とプッシュしてます。
まあHyperaccumulatorとか言ってもこんな小さい植物植えてどうするんだろう
ってのはよく思いますからね、この分野の論文読んでると。実用性あるのかと。
濃縮装置付いてなくてもでかいポンプでガンガン吸った方が早い気もします。
ちなみにVerbruggen et. al.(2009)によるとCdのHyperaccumulatorはS. alfredii、
T. caerulescens、T. praecox、A. halleriの四種が確認されているとのこと。
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毎回参考文献を付記するところがなくて
もちろん付記する余裕もないわけですが
新刊作製にあたり参照した文献の紹介などしてみたり。
まあヨウシュヤマゴボウしか論文なかったですけどね!
薬草だったり毒草だったりしないと研究されないのね。残念だけど。
まずこれから行ってみましょうか、
Jerz G., Skotzki T., Fiege K., Winterhalter P., Wybraniec S.,
Separation of betalains from berries of Phytolacca americana by ion-pair high-speed counter-current chromatography.
(2008) Journal of Chromatography A, 1190, 63-73
ヨウシュヤマゴボウのベタレイン色素をHSCCC(High-Speed counter-current chromatography:高速向流クロマトグラフ)で分離した論文。
トリフルオロ酢酸をサンプル抽出時に加えることで固定相への保持を改良しているのが肝らしいですけど、まあ色素の中身が知りたいだけなので華麗にスルー。
ちなみにHSCCCとは固定相移動相ともに液体を用い、カラムを遠心分離しながらHPLCで送液することにより液々分配するシステムだとか。どないやねん。
詳しくは分からんけど想像するにまあ凄いシステムぽいのは分かる。
まあいいや、内容内容。
まずベタレイン色素にはベタシアニンとベタキサンチンという種類が含まれていて、
ベタキサンチンはベタシアニン骨格の芳香環部分のないもの、に近い。
詳しくはこの辺の図とか
http://flower.naro.affrc.go.jp/topics/color/shikiso/betarein.html (NARO 花き研究所)
ベタキサンチンは黄色で、ベタシアニンの方は中性~酸性で紅紫色、アルカリ性で黄色になる。
ここまで基本情報。
この論文ではHSCCCでベタレイン色素を30数種類分離しており、断トツで含量が多いのが
ベタシアニンのBetanin、次いでIsobetanin、あとは大きく離れてベタキサンチンのProline-Bxとかとか。
ベタレイン色素のλMax、つまり吸光波長のピークも記載されてます。
ベタキサンチンは470nm前後、ベタシアニンは540nm前後。
色的には黄色を吸うので補色の紫が表に出てくるんですね。
あれれ割と長くなってしまったので分割しますか。
もちろん付記する余裕もないわけですが
新刊作製にあたり参照した文献の紹介などしてみたり。
まあヨウシュヤマゴボウしか論文なかったですけどね!
薬草だったり毒草だったりしないと研究されないのね。残念だけど。
まずこれから行ってみましょうか、
Jerz G., Skotzki T., Fiege K., Winterhalter P., Wybraniec S.,
Separation of betalains from berries of Phytolacca americana by ion-pair high-speed counter-current chromatography.
(2008) Journal of Chromatography A, 1190, 63-73
ヨウシュヤマゴボウのベタレイン色素をHSCCC(High-Speed counter-current chromatography:高速向流クロマトグラフ)で分離した論文。
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ちなみにHSCCCとは固定相移動相ともに液体を用い、カラムを遠心分離しながらHPLCで送液することにより液々分配するシステムだとか。どないやねん。
詳しくは分からんけど想像するにまあ凄いシステムぽいのは分かる。
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まずベタレイン色素にはベタシアニンとベタキサンチンという種類が含まれていて、
ベタキサンチンはベタシアニン骨格の芳香環部分のないもの、に近い。
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ベタキサンチンは黄色で、ベタシアニンの方は中性~酸性で紅紫色、アルカリ性で黄色になる。
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ベタシアニンのBetanin、次いでIsobetanin、あとは大きく離れてベタキサンチンのProline-Bxとかとか。
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-告知-
C79三日目 東2 R-48a「農工植研」で参加します。
頒布物:『植研季報 for C79』 ;いつもの野草擬人化と解説本5
20p mono 予価100円
※既刊はほとんどありません。
-備忘録-
俺妹 日 23:30- MX
イカ 月 26:00- テレ東
神汁 水 25:50- テレ東
ミルホ 木 23:00- MX
ヨスガ 木 26:00- MX
禁書II 金 25:30- MX
C79三日目 東2 R-48a「農工植研」で参加します。
頒布物:『植研季報 for C79』 ;いつもの野草擬人化と解説本5
20p mono 予価100円
※既刊はほとんどありません。
-備忘録-
俺妹 日 23:30- MX
イカ 月 26:00- テレ東
神汁 水 25:50- テレ東
ミルホ 木 23:00- MX
ヨスガ 木 26:00- MX
禁書II 金 25:30- MX